郵便定形外とは? 何を送れるの?

郵便定形外(ゆうびんていけいがい)とは、日本郵便が提供する郵便サービスの一つで、「定形郵便物」や「定形外郵便物」を含む普通郵便物の中で、特にサイズや重さが定形郵便物の規格を超えるものを指します。
簡単に言うと、一般的な手紙(定形郵便物)のサイズや重さに収まらない様々な形状や大きさの荷物を、比較的安価に送ることができる便利な方法です。

郵便定形外には、さらに以下の2つの区分があります。

  • 規格内(きかくない):
    縦・横・厚さの合計が90cm以内、かつ長辺が34cm以内、厚さが3cm以内、重さが1kg以内のもの。比較的コンパクトなものが該当します。料金が規格外よりも安く設定されています。
  • 規格外(きかくがい):
    縦・横・厚さの合計が90cmを超えたり、長辺が34cmを超えたり、厚さが3cmを超えたりするもの。または、重さが1kgを超え2kg、3kg、4kg以内のもの。サイズや形状の自由度が高いですが、規格内より料金が高くなります。

送れるものの例としては、以下のようなものがあります。

  • 小さな箱に入った雑貨やおもちゃ
  • 衣類(Tシャツ、マフラーなど)
  • 書籍やCD、DVD(ゆうメールの方が適している場合もありますが、定形外でも可)
  • 化粧品やアクセサリー
  • 厚みのあるカタログやパンフレット
  • 形状が不規則なハンドメイド作品

ただし、現金、危険物、生き物、著しく不潔なものなど、法令や郵便約款で定められたものは送れません。また、貴重品や壊れやすいものを送る場合は、後述のオプションサービスの利用や、より補償の手厚い別の配送方法(ゆうパックなど)を検討する必要があります。

なぜ郵便定形外を選ぶの? メリットは?

郵便定形外を選ぶ最大の理由は、その「手軽さ」と「料金の安さ」です。

郵便定形外のメリット

  • 料金が比較的安い:
    特に軽量なものを送る場合、ゆうパックや他の宅配便サービスと比較して料金を大幅に抑えることができます。送料を節約したいフリマアプリやオークションでの個人間取引などで非常によく利用されます。
  • 全国一律料金:
    送る場所から届ける場所までの距離に関わらず、全国どこへ送っても料金は変わりません。遠方への発送で送料が高くなりがちな場合でも、定形外なら料金を把握しやすいです。
  • 追跡や補償を必要としない荷物に適している:
    基本的に追跡サービスや補償は付いていません(オプションで追加可能)。そのため、商品の単価が安いものや、多少の遅延や不着のリスクを許容できる荷物の発送に向いています。
  • ポスト投函も可能:
    サイズや厚さがポストの投函口に入るもので、正確な料金分の切手が貼ってあれば、郵便局の窓口に行かなくてもポストに投函できます。忙しい方にとっては非常に便利です。(ただし、ポスト投函の場合は重量やサイズ、料金が適切かご自身でしっかり確認する必要があります)
  • 梱包の自由度が高い:
    封筒、袋、箱など、送るものに合わせて様々な形状で梱包できます。ただし、配送中に破損しないよう、しっかりとした梱包が必要です。

注意点・デメリット

一方で、定形外郵便にはいくつかの注意点やデメリットがあります。

  • 追跡や補償がない(基本):
    荷物が今どこにあるのか追跡することはできません。万が一、紛失したり破損したりした場合でも、基本的には補償がありません。(オプションサービスで対応可能)
  • 配達に時間がかかることがある:
    速達などのオプションを付けない場合、他の配送方法と比較して配達に時間がかかることがあります。特に土日祝日は配達されないため、通常より日数がかかります。
  • 正確な料金の把握が必要:
    自分で荷物のサイズと重さを正確に計測し、正しい料金分の切手を貼る必要があります。料金が不足している場合、差出人に戻されたり、受取人に不足分が請求されたりします。
  • サイズ・重量制限がある:
    最大で重さ4kgまで、サイズも特定の制限があります。これを超える荷物は定形外郵便では送れません。
  • 対面での受け取りにならない場合が多い:
    受取人の郵便受けに投函されることが多いため、盗難や紛失のリスクがゼロではありません。(手渡しや受領印が必要な場合は書留などのオプションが必要です)

これらのメリットとデメリットを理解した上で、送りたいもの、重視する点(料金、速さ、安全性など)に合わせて定形外郵便が最適かどうかを判断しましょう。

郵便定形外の料金はいくら? 計算方法は?

郵便定形外の料金は、「荷物の重さ」と「規格内か規格外か」によって決まります。サイズは料金に直接影響しませんが、規格内か規格外かを分ける基準になります。

料金計算のステップ

  1. 荷物のサイズを測る:
    「縦+横+厚さ」の合計、長辺の長さ、厚さ(3cm)を確認します。
  2. 荷物の重さを測る:
    正確な重さをグラム単位で測ります。
  3. 規格内か規格外かを判断する:
    • 規格内:縦+横+厚さの合計が90cm以内、かつ長辺が34cm以内、厚さが3cm以内、重さが1kg以内
    • 規格外:上記の規格内サイズを超えるもの、または重さが1kgを超え4kg以内のもの
  4. 重さに応じた料金を確認する:
    以下の料金表に基づき、計測した重さと規格区分に対応する料金を確認します。(料金は変更される場合がありますので、最新の情報は日本郵便の公式ウェブサイトでご確認ください)

郵便定形外 料金表の例(目安)

あくまで目安であり、最新・正確な料金は日本郵便公式サイトをご確認ください。
(例:2023年時点の料金に基づきます)

規格内 料金(重さ1kg以内)

~50g:120円
~100g:140円
~150g:205円
~250g:250円
~500g:390円
~1kg:580円

規格外 料金(重さ4kg以内)

~50g:200円
~100g:220円
~150g:300円
~250g:350円
~500g:510円
~1kg:710円
~2kg:1040円
~4kg:1350円

このように、同じ重さでも「規格内」の方が「規格外」よりもかなり安く設定されています。できるだけ送料を抑えたい場合は、規格内に収まるように梱包サイズを工夫することが重要です。

オプションサービスと料金

基本的な定形外郵便には追跡や補償はありませんが、追加料金を支払うことでこれらのサービスを付けることができます。

  • 特定記録(とくていきろく):
    郵便物を差し出した記録を残し、追跡サービスで配達状況を確認できます。配達は郵便受けへの投函です。料金は基本料金+160円。
  • 簡易書留(かんいかきとめ):
    差し出した記録が残り、追跡サービスで配達状況を確認できます。さらに、万が一の事故の場合、原則として5万円までの実損額が賠償されます。配達は対面で行われ、受領印が必要です。料金は基本料金+350円。
  • 一般書留(いっぱんかきとめ):
    簡易書留より手厚い書留です。損害要償額を申告でき(上限あり)、その額に応じて料金が変わります。より高価なものを送る場合に適しています。料金は基本料金+480円~(損害要償額に応じて加算)。
  • 速達(そくたつ):
    通常の郵便物より早く配達されます。料金は荷物の重さによって異なります(例:250gまで+260円、1kgまで+350円、4kgまで+600円)。
  • その他:
    配達証明、引受時刻証明なども追加できますが、一般的に定形外郵便で利用されることは少ないです。

これらのオプション料金は、定形外郵便の基本料金に加算されます。追跡や補償が必要な場合は、これらのオプションサービスの利用を検討しましょう。ただし、オプションを複数組み合わせると、ゆうパックなどの別の配送方法の方が安くなったり、サービスが手厚かったりする場合もありますので、比較検討が重要です。

郵便定形外はどこで送る・受け取る?

郵便定形外は、以下の場所で送ることができます。

  • 郵便窓口:
    最も推奨される方法です。窓口で荷物のサイズや重さを正確に測ってもらい、料金を計算してもらえます。切手を持っていない場合も、その場で支払いが可能です。特定記録や書留などのオプションサービスを付ける場合も、必ず窓口で手続きが必要です。荷物を受け付けた証明(レシート)がもらえるので安心です。
  • 郵便ポスト:
    荷物のサイズがポストの投函口に入り、かつ、料金分の切手が正確に貼ってあれば、ポストに投函して送ることも可能です。ただし、ポスト投函の場合、サイズや重さ、料金が間違っていてもその場で指摘されないため、後から料金不足で遅延したり、差出人に戻されたりするリスクがあります。ポストの大きさは場所によって異なるため、大きい荷物はポストに入らない場合があります。

受け取る場所は、基本的に受取人の自宅や指定した住所になります。

  • 郵便受けへの投函:
    多くの場合、郵便受けに投函されます。郵便受けに入らない大きさの場合は、玄関先に置かれたり、不在の場合は不在票が残されたりします。
  • 対面での配達:
    簡易書留や一般書留などのオプションを付けた場合は、配達員が受取人に直接手渡し、受領印(またはサイン)が必要です。不在の場合は不在票が入り、郵便局に持ち戻られます。

郵便受けが小さい、盗難が心配、確実に手渡しで受け取りたい、といった場合は、書留などのオプションを利用するか、ゆうパックなど別の配送方法を検討しましょう。

郵便定形外の送り方は? 手順を詳しく

郵便定形外を送る際の手順は比較的シンプルです。

  1. 送るものを準備する:
    送りたい品物を用意します。
  2. 梱包する:
    品物が配送中に破損しないよう、適切に梱包します。箱に入れたり、緩衝材(プチプチなど)で包んだり、丈夫な袋に入れたりします。封筒や袋で送る場合も、中身が飛び出さないようにしっかりと封をします。規格内にしたい場合は、厚さが3cmを超えないように平たく梱包する工夫が必要です。
  3. 荷物のサイズと重さを測る:
    定規やメジャーでサイズ(縦、横、厚さ)を測り、キッチンスケールなどで正確な重さを測ります。この情報に基づいて、規格内か規格外か、そして正確な料金が決まります。
  4. 宛名と差出人名を記載する:
    梱包した荷物の表面に、油性ペンなどで受取人の「郵便番号」「住所」「氏名」をはっきりと大きく書きます。裏面または表面の余白に、差出人の「郵便番号」「住所」「氏名」も記載します。これは、万が一配達できなかった場合に差出人に戻すために必要です。
  5. 料金を確認し、支払う(または切手を貼る):
    手順3で測ったサイズと重さから、郵便定形外の料金を確認します。

    • 郵便窓口で出す場合:荷物を窓口に持って行き、「定形外でお願いします」と伝えます。窓口の担当者がサイズと重さを測り、料金を教えてくれますので、その場で現金などで支払います。オプションサービスを利用する場合も窓口で手続きし、料金を支払います。
    • ポスト投函で出す場合:正確な料金分の切手を用意し、荷物の表面の所定の位置(通常は右上)にしっかりと貼り付けます。料金が不足しないように、事前に正確な料金を確認することが非常に重要です。
  6. 差し出す:
    郵便窓口に手渡すか、郵便ポストに投函して完了です。割れ物など注意が必要なものは、窓口でその旨を伝える方が安心です。

サイズや重さがオーバーした場合

もし計測したサイズや重さが郵便定形外の規定(重さ最大4kgまで、規格外の最大サイズ規定あり)を超えていた場合、定形外郵便としては送れません。その場合は、ゆうパックやその他の宅配便サービスを利用する必要があります。料金も大きく変わってきますので注意が必要です。

また、料金が不足している状態で差し出した場合、郵便局で発見されれば、差出人に返還されるか、受取人に不足料金が請求されることになります。配達が遅れる原因にもなりますので、正確な料金の確認は必ず行いましょう。特にポスト投函する場合は自己責任となります。

まとめ

郵便定形外は、サイズや重さが定形郵便の規格外となる様々な荷物を、比較的安価に送ることができる便利な郵便サービスです。特に追跡や補償が不要な、軽量で嵩張るものや、安価な品物を送る場合にコストパフォーマンスに優れています。

利用にあたっては、まず送りたいものが郵便約款上送れるものであるかを確認し、荷物のサイズと重さを正確に測ることが非常に重要です。これにより、規格内・規格外のどちらになるか、そして正確な料金を把握できます。料金は重量制で、規格内の方が安価です。

発送は郵便窓口でもポスト投函でも可能ですが、特にオプションを付けたい場合や、正確な料金に不安がある場合は窓口での手続きがおすすめです。配達は通常郵便受けへの投函ですが、書留等のオプションを付ければ対面での手渡しになります。

追跡や補償が付かない点を理解し、必要に応じてオプションサービスを検討するか、より手厚い別の配送方法(ゆうパックなど)と比較検討することが、賢く郵便定形外を利用するためのポイントと言えるでしょう。


郵便定形外

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