アルトリア・ペンドラゴンとは誰か?

アルトリア・ペンドラゴンは、TYPE-MOONが制作したビジュアルノベルゲーム『Fate/stay night』およびその派生作品に登場する主要人物です。伝説の「アーサー王」をモチーフにしていますが、作中では「女性」として描かれています。彼女は主に聖杯戦争において、最も強力なクラスの一つである「セイバー」のサーヴァントとして召喚されます。

彼女は非常に高潔で、自らを王として理想通りであろうと努めます。その性格は生真面目で、時には頑固なほどです。王としての責任感と、人々の幸福を願う強い意志を持っています。一方で、感情を表に出すことは少なく、クールに見えがちですが、内心では深い苦悩や後悔を抱えています。意外にも大食いという一面もあり、特に衛宮士郎の作る料理を好みます。

なぜ彼女はセイバーのクラスで召喚されるのか?

サーヴァントのクラスは、生前の英雄の特性や伝説に基づいて決定されます。アルトリアが生前、卓越した剣技と聖剣エクスカリバーを振るった伝説を持つことから、彼女は「剣士」のクラスであるセイバーに最も適格とされます。セイバークラスは一般的に三騎士(セイバー、アーチャー、ランサー)の中でも、総合的な能力が高く、特に魔力放出や高い魔力抵抗力を持つことが多いとされています。

彼女の宝具である聖剣エクスカリバーは、光の収束による強力な一撃を放つ対城宝具であり、セイバークラスの代名詞とも言える破壊力を持ちます。これにより、彼女は多くの強敵と渡り合うことが可能です。

彼女の主な能力や宝具は何?

主な宝具

  • 約束された勝利の剣(エクスカリバー / Excalibur)
    アーサー王伝説における最も有名な聖剣です。作中では、「星の息吹」が結晶化した神造兵装とされています。真名を解放すると、刀身から放たれる光のエネルギーが収束・加速され、巨大な光の奔流となって敵を殲滅します。その威力は絶大で、多くの結界や防御を貫通します。通常時は「風王結界(インビジブル・エア)」で覆い隠されており、不可視の剣として扱われます。
  • 全て遠き理想郷(アヴァロン / Avalon)
    エクスカリバーの鞘です。これもまた神造兵装であり、所有者に絶対的な防御を与え、いかなる干渉も寄せ付けません。さらに、所有者の傷を瞬時に癒やす強力な回復能力も持ちます。これは文字通り「理想郷」への転移に近い現象を引き起こし、物理的な法則すら無視する究極の守りです。劇中では、衛宮士郎の体内に埋め込まれていました。

主なスキル

  • 魔力放出(Mana Burst)
    自身の肉体や武器に魔力を纏わせ、瞬間的に身体能力や攻撃力を大幅に向上させるスキルです。アルトリアはこれを剣技と組み合わせることで、驚異的な速度や破壊力を発揮します。特に、風の魔力を放出する描写が多く見られます。
  • カリスマ(Charisma)
    軍団を率いる天性の才能を示すスキルです。集団の士気を高め、能力を向上させます。彼女が王として人々を導いた歴史に基づいています。
  • 直感(Instinct)
    戦闘において、常に自身にとって最善の行動を瞬時に「直感」できる能力です。危険を察知したり、相手の攻撃を見切ったりするのに役立ちます。Aランクの直感は、もはや未来予知に近い精度を持つとされます。
  • 対魔力(Magic Resistance)
    魔術に対する抵抗力です。魔術による攻撃や効果を無効化したり、軽減したりします。セイバークラスは基本的に高い対魔力を持っています。
  • 騎乗(Riding)
    乗り物を操る能力です。彼女は生前、馬を駆ったことからこのスキルを持ちます。セイバークラスも騎乗スキルを持つことが多いです。

アルトリア・ペンドラゴンはどこで登場する?

アルトリア・ペンドラゴンは『Fate』シリーズにおいて非常に中心的なキャラクターであるため、多岐にわたる作品に登場します。

  • Fate/stay night (原作ゲームおよびアニメ化作品)
    彼女の最初の登場作品であり、衛宮士郎のサーヴァントとして聖杯戦争に参加します。『Fate』、『Unlimited Blade Works』、『Heaven’s Feel』の全てのルートに関わりますが、特に『Fate』ルートではメインヒロインとして深く掘り下げられます。
  • Fate/Zero (前日譚小説およびアニメ化作品)
    『Fate/stay night』の10年前の第四次聖杯戦争を描いた作品です。衛宮切嗣のサーヴァントとして登場し、王としての理想と現実の葛藤が描かれます。
  • Fate/hollow ataraxia (ファンディスク)
    『Fate/stay night』の後日談を描いた作品です。日常描写が多く、彼女のコミカルな一面や、衛宮士郎との絆が描かれます。
  • Fate/Grand Order (スマートフォン向けRPG)
    数多くのサーヴァントが登場するこの作品でも、アルトリアは非常に重要な立ち位置にいます。原典のセイバーだけでなく、後述する様々な形態(アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕、アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕、アルトリア・ペンドラゴン〔ランサー〕など)がプレイアブルキャラクターとして多数実装されています。
  • その他
    格闘ゲーム『Fate/unlimited codes』、様々なコラボレーション作品、漫画、ドラマCDなど、多くの『Fate』関連メディアに登場しています。

彼女にはどれくらいの数の異なる形態がある?

アルトリア・ペンドラゴンは、『Fate』シリーズの顔とも言える存在であり、その人気から非常に多くのバリエーション(異なるクラス、衣装、性格など)が存在します。正確な数はカウントが難しいほど多いですが、主要な形態だけでもかなりの数に上ります。

  • アルトリア・ペンドラゴン(セイバー): 基本となる形態。
  • アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕: 王になる前の、まだ純粋で修行中の少女時代の姿。
  • アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕(セイバーオルタ): 聖杯の泥によって汚染され、冷酷で破壊的な側面が強調された姿。
  • アルトリア・ペンドラゴン〔ランサー〕: 聖槍ロンゴミニアドを主武装とした、成長した可能性の姿。より威圧感があり、王としての風格が増しています。
  • アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕(ランサーオルタ): ランサーの姿が汚染されたもの。
  • 謎のヒロインX: アルトリア顔のアルトリアを狩る謎の宇宙人(?)。ジョークキャラクター。
  • その他の特殊・季節限定形態:
    水着(サマー)、メイド、サンタ、バニーガール、メカエリチャン風、ルーラー、アルターエゴ(藤丸立香)、さらには異なる作品(例:Fate/Extella)でのネロ・クラウディウスとの関連性など、様々な形で登場しています。

これらの形態は、単なる衣装違いだけでなく、クラスが変化したり、スキルや宝具、性格設定が異なったりします。特に『Fate/Grand Order』では、イベントごとに新しい形態が追加されることがよくあります。

どのようにして彼女は王になったのか?

『Fate』シリーズにおけるアルトリアが王になった経緯は、アーサー王伝説をベースにしつつ、独自の解釈が加えられています。

彼女はイングランド王ユーサー・ペンドラゴンの娘として生まれましたが、王の血筋を隠すために騎士ケイ(後の円卓の騎士)の父であるエクトール卿に預けられ、男の子として育てられました。

時が満ち、選定の剣カリバーンが「これを引き抜いた者がブリテンの王となる」という印と共に岩に突き刺さった際、他の誰もが成し遂げられない中、まだ幼かった彼女が躊躇いなく剣を引き抜きました。この行為によって、彼女は周囲の反対や困惑がありつつも、ブリテンを統べる「王」として認められることになります。彼女が女性であることを隠し、あくまで男性として振る舞い続けたのは、当時の社会情勢や人々が求める王の像に応えるためでした。

王となってからは、賢者マーリンや円卓の騎士たちの助けを得ながら、ブリテンの統一と平和のために戦いました。

彼女が聖杯に託す「願い」は何?

アルトリアが聖杯戦争に参加し、聖杯を求める最大の理由は、彼女が自身の「王」としての生涯を失敗だったと考えているからです。彼女は理想の王であろうと全てを捧げましたが、結果として国は滅び、多くの騎士や民を失いました。特に、最後の戦いであるカムランの丘での敗北は、彼女にとって大きな後悔となっています。

したがって、彼女の聖杯に託す願いは、「ブリテンが滅びる前に、王を選定し直すこと」です。つまり、自分自身が王にならない世界、別の誰かが王になることで、ブリテンが滅びる未来を回避したいと願っています。これは、自身の統治が国を滅亡に導いたという、彼女の深い自己否定と責任感からくる願いです。

しかし、物語を通して彼女はこの願いと向き合い、自身の王としての生涯が全て無意味ではなかったこと、そして大切なもの(例えば衛宮士郎との出会い)を得たことを学び、最終的にはその願いを手放す選択をすることも描かれます。

どれくらいの強さを持っている?(パラメーターについて)

サーヴァントの強さは、ステータス(筋力、耐久、敏捷、魔力、幸運)と宝具、スキルの組み合わせで決まります。セイバークラスのアルトリアは、聖杯戦争におけるトップクラスのサーヴァントの一人として描かれています。

具体的なゲームシステム上のパラメーター(E~A++など)は登場作品や媒体によって多少異なりますが、共通して以下の傾向があります。

  • 筋力(Strength): 高い(A程度が多い)
  • 耐久(Endurance): 高い(B~A程度が多い)
  • 敏捷(Agility): 高い(B~A程度が多い)
  • 魔力(Mana): 高い(A程度が多い)
  • 幸運(Luck): 低いことが多い(D~C程度)。王としての末路が悲劇的だったことを反映しています。ただし、アヴァロンがある場合などは補正されることもあります。
  • 宝具(Noble Phantasm): EXまたはA++など、最高ランクのものが割り当てられることが多いです。

彼女の高い筋力、耐久、敏捷は、魔力放出スキルと組み合わせることでさらに強化され、純粋な剣士としての戦闘能力は非常に高いです。特にエクスカリバーの宝具ランクは作中でも最高クラスであり、瞬間的な火力においては並ぶ者が少ないです。弱点としては、幸運が低いため予期せぬ事態に巻き込まれやすいことや、維持に大量の魔力が必要なことが挙げられます。

衛宮士郎との関係は?

『Fate/stay night』の物語において、衛宮士郎はアルトリアを召喚したマスターであり、二人は聖杯戦争を共に戦う中で深い関係を築きます。

士郎は未熟な魔術師でありながら、アルトリアの理想や過去の苦悩に触れ、彼女を支えようとします。アルトリアもまた、士郎の歪みながらも真っ直ぐな「正義の味方になりたい」という願いや、彼女自身に向けられる庇護と理解に触れることで、人間的な感情や忘れかけていたものを取り戻していきます。

特に『Fate』ルートでは、二人の間にマスターとサーヴァントという関係を超えた深い愛情が芽生えます。士郎はアルトリアの王としての重荷を理解し、彼女を解放しようと奮闘します。アルトリアも士郎を守るために戦い、彼と共に過ごす日々の中で、王ではなかった一人の少女としての安らぎを見出します。彼との出会いは、アルトリアが自身の生涯に対する見方を変える上で、決定的な影響を与えます。


阿尔托利亚·潘德拉贡